シェヘラザード、静かにお休み
シーラのルイスに対する気持ちは愛だ。
それは見返りを求めないもの。
恋にした途端、それに欲が出る。
「さっきの聞いていたの?」
「ああ、愛してるってやつか。イーサンを」
「そう……イーサンを?」
閉口。そして眉が顰められた。
「どんな聞き方したらそうなるのよ。本当に意味が分からない」
「どう考えてもそういう意味だったろ」
「ルイスのことは好きよ。好きだけれど」
先程、イーサンと話していたことを思い出した。
ルイスの隣にいると劣等感の塊となること。
そして、嘘を吐いていること。