シェヘラザード、静かにお休み

それから離れて、シーラが言葉を紡ぐ。

「ハウス」

「犬扱い……」

呟いて、ルイスは今度こそきちんと諦めた。シーラの隣に背中から落ちた。

「マイケルさんは、私たちを本当にルイスの家に招待する人たちだと思って疑っていないの?」

シーラは毛布を手放し、ルイスの上着に顔を埋めている。
その質問に、ルイスは答えた。

「ああ、特に突っ込んだことは聞いてこない」

「おめでたいことね。それに今回は救われている」

返す言葉がない。ルイスは先程、アメリアを部屋に送り届けた後、マイケルに言われたことを思い出していた。

シーラのことをどこかで見た、と。

< 273 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop