シェヘラザード、静かにお休み
そして、もう一人、いるべき人影が見当たらない。
「初めまして。すみません、勝手にお邪魔しています」
アメリアは名乗り、イーサンも紹介する。
「あらあら、おはようございます。お早い訪問ですね」
「この人、王女様ですよ。と、その執事」
ええ!? と驚くより外なかった。まさか王女様がこの別荘に来ることになるとは。
「じゃあ見つかったんですね、王女様」
「はい。橋を渡ろうとしたんですけど、嵐で壊れていて。迂回ルートを確認していたところ」
「あの橋、壊れそうな感じでしたものね。ところで、シーラさんはどちらに?」