シェヘラザード、静かにお休み
それは同時に、シーラに対して降伏を意味するのではないだろうか。
ここまで来て、間違えて連れてきたシーラに、その権利は与えられた。
「それに、僕は負けるつもりがない」
机に肘をつき、手を組んだ。
「さっき君が言ったことについて、それは僕の不公平と、不利を持って相殺することにしようじゃないか。それにしたって公平ではないと言うかい?」
「こういう場合、相手が提示する条件で公平なことなんてそうないわ」
「成立だな。じゃあ始めよう。カルメラ、君が回せ」
一発の弾を装填し、オリバーは拳銃を渡した。
カルメラは言われた通り、シリンダーを回す。