シェヘラザード、静かにお休み
そして、既に勝手に話をつけてしまっていそうだとすら、思っていた。
「ルイス?」
ここで名前を呼ばれるとは思っておらず、ルイスは顔を向ける。ジャケットを羽織ったジャックの姿があった。
そう、共に牢屋番をして同じ寮で暮らしていたあのジャックだ。
「ジャック、お前生きて……」
「ルイス、生きてたのか!」
「言葉が被っているし声がでかい。少し音量を落としてくれ」
ここで三人捕まるわけにはいかない。
「感動の再会だろう? 後ろの二人は誰だ?」
ひょいっとルイスの肩の向こうにいるアメリアとイーサンを見た。