シェヘラザード、静かにお休み

顔を見て、すぐに誰だか理解する。マイケルの元でメイドをやっていた若い女だ。

女がルイスを確認するより先に、その首に一撃。ぐったりと伸びた女を部屋の隅に置いて、シーラに近づく。

「……繰り返しているのに気付かない人間のことを言うのよ」

そして、こちらを振り向く。愛おしそうに笑んで、肩を竦める。

「私も嘗て家族に賊を殺されて革命を起こそうとした。でも、王女様は貴方たちに家族を殺されてここに戻ってきた」

アメリアとイーサンが部屋に入る。

シーラが話す先は椅子に座ってこちらに背中を向けている男へだった。彼がオリバーなのだろう。

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