シェヘラザード、静かにお休み

青い瞳を向けてシーラは首を傾げる。

「早く座れば?」

「お前の言った通りだった」

ルイスは椅子に座り、背もたれに背を預ける。

どうしてあんな時間に西門を見張っていたのか、勿論尋ねられたが、答えることが出来なかった。

ジャックもその空気を読み取ったらしく、魔女が言っていたからと答えることはしなかった。

「それで、きちんと仕留めてきたのかしら」

「ああ」

本当に窃盗団だった。その為に城の門番を仲間にして、内部の事情を色々と探っていたらしい。

だから、予定を話し合うのは城内の一番人の近づかない、この牢屋の外だったわけだ。

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