ドクター時任は恋愛中毒
◆観覧車で危機一髪


日曜日は快晴だった。

着慣れないエレガントなワンピースに身を包んで、女性らしさを心掛けたメイクを施し、今日は少しは大人っぽく見えるつもりの私。

こんなに気合が入っているのは、先日の電話で時任先生に思わせぶりな予告をされたせいだ。


『お前が変えたんだ。俺を、ポンコツサイボーグに』

『日曜会うときに、ちゃんと話すから』


彼にしては珍しい優しげな声でそんなことを告げられて、期待するなという方が無理。

ドキドキしてはちきれそうな心臓をなんとかなだめながら、電車とバスを使って都内の遊園地に到着した。約束していた、午前十時ぴったりだ。


「真帆ー! こっちー!」


キョロキョロしながら歩いていると、入園ゲートの脇、自動販売機のそばでこちらに大きく手を振る美琴の姿を見つけた。淡色のカーデとひざ丈スカートを合わせた、女子アナのような清楚系の服装が可愛らしい。

隣には、スマホに耳を当て誰かと電話中らしい甘い垂れ目のイケメンが立っている。

タイトなジーンズに、ワインレッドのジャケット、インナーに白いVネックTシャツを合わせた姿はお洒落だけど、Tシャツの胸にサングラスを引っ掛けているのが妙にエロいというかチャラいというか……。



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