ドクター時任は恋愛中毒
「~~~天河さんっ! 真帆の前でそういうこと……っ!」
「……やっぱ悪魔だわこのひと」
藍澤先生に冷めた視線を向けつつも、ホントに二人は仲が良いんだなとしみじみ感じた。
いいなぁ……私も、思いっきり愛されて、女としての喜びってやつを味わってみたい。経験が全くないわけじゃないけど、たぶん天国ってやつはまだ一度も見たことがないんだよね。
……って、昼間から何を考えてるんだ私! 悪魔と一緒にいると、思考がおかしな方向にいく……。
そんなことばかり考えていたら売り場までの列が進んでいることに気付かず、少し前方から美琴に呼ばれた私は慌てて歩みを進めた。
*
入園後も、藍澤先生は終始そんな調子で美琴をからかってばかりいた。
「天河さん、次あれ乗りたいです」
美琴はただ純粋に、そのス〇ラッシュマウンテン的なアトラクションに乗りたいと言っただけなのに。
「ふうん、そんなに濡れたいの美琴ちゃん」
そう言って意味深な流し目を決める悪魔からは、妖しげな匂いがぷんぷんした。
「……別に、濡れたいわけでは」
「いいよ。俺も、焦らされながらのぼりつめて、その後は一気に堕ちて。最後にはびしょびしょになる美琴ちゃんが見たいし」