漢江のほとりで待ってる
高柳グループ!欲に塗れた愛憎劇!長男慶太氏は弦一郎氏の子ではなかった!
長男を後継者にするため、殺人にまで発展!本妻が、愛人の子であり本筋の後継者、由弦氏が邪魔になり殺そうとした!
執事と社長夫人の悲恋物語!互いに不倫か!?堕ちた高柳グループ!
違う筋では、兄弟で一人の女性を取り合う!昼メロ顔負けの泥沼愛憎劇!
など、前にもまして世間は騒ぎ立て、マスコミのネタとなった。
そんな世間の集中砲火を受ける中、雅羅は戻って来た。
「雅羅、君とは別れる気はない!慶太も会社を退かせる気もない!その慶太を支えるのが君の罪の償いだ。慶太自身も世間と向き合いながら生きて行くのが償いだ。そして、椎名が戻って来た時、その身を解放してやろう!」
と弦一郎は言った。
「はい……本当にごめんなさい、あなた」
雅羅は静かに返事をした。
弦一郎は、雅羅と一緒に椎名に会いに行った。
ガラス越しに、三人は久しぶりに顔を合わせた。
「元気にしていたか?」と弦一郎。
「はい。旦那様、誠に申し訳ございませんでした。由弦坊ちゃんのご様子はいかかでしょうか?」
「安心しろ、意識は戻った。一部記憶を失くしているが、今の所安定している」
「そうでしたか……よかった」
「これは私自身にも責任がある。あの時は、由弦にもしものことがあったらと、気が動転していた。私の方こそすまなかった。長い間、君と雅羅を苦しめていた」
「そ、そんな、お止めください!私はほんとに取り返しのつかないことを致しました」
「分かっている。でも待っているからな!」
「旦那様……」椎名は涙ぐんだ。
「椎名さん、私のせいで……本当にごめんなさい」
「奥様、何をおっしゃるのですか、私が勝手にしたことです、それも間違った方法で」
「あなたは、慶太や私を思ってやったこと。私がさせてしまった、本当にごめんなさい」
「あ、いえ……」
「みんな揃ったら、慶太と由弦を支えてやってくれ!私も息子達のために、全力で支え守り抜く。そして、今後の君たちの人生のためにも」
「旦那様!ありがとうございます」椎名は泣き崩れた。
「あなた……」雅羅は目頭を拭いた。