漢江のほとりで待ってる
それから日は経ち、
珉珠は、美桜が現れてから、由弦の所に行くのを躊躇ったりもしたが、急に態度を変えるのもおかしいと思い、今まで通り付き添うことにした。
次の日も、そのまた次の日も、ずっとずっと、由弦の病室を足繁く訪れた。
理学療法士の付き添いの元、由弦がリハビリに励んでいる時も、傍で珉珠は見守った。
変わらず由弦を励まし続けた。
病室では、二人とても仲良く、周りから見たら、本当に恋人同士のように見えた。
特に美桜にはそのように映った。だからそれを毎日目の当たりにして、面白くなかった。
立場的には自分の方が彼女なのに、なぜこんなに遠慮しなければならないのか、不満にさえ思えて来た。
美桜はある日、珉珠より早く来て由弦に付き添うことにした。
でも、由弦は後から来た珉珠を見るなり、笑顔を見せた。
珉珠も愛しむように、由弦を見つめ返す。
自分に対する眼差しと確実に違う、美桜は疎外感さえ覚えた。
そして、
「青木さん?よかったら、二人だけで話しませんか?」と美桜。
「……!?えぇ」
「ごめん、ユヅ!ちょっと二人で話してくるね」
そう言うと美桜と珉珠は病室を出て行った。