漢江のほとりで待ってる
先に病室に戻って来た珉珠に、由弦は、
「美桜に何か言われた?あいつ、何でもはっきり言えばいいと思ってるとこあるから、悪気はないんだよね?でもそれが逆に質が悪いんだけど……」
「あ、あぁ~、大丈夫よ?何も言われてないから」
「そう?」
「うん!……由弦?」
「ん?何?」
「リハビリは無理しないで?ちゃんと歩けてるんだから。早く歩こうなんて焦ったりもしないで?苛立ちは返って怪我をするから。それと、ちゃんと睡眠も取って?それで体が回復したら、ゆっくりお話ししましょう。あなたに聞きたいこともあるから」
「うん!分かってる、ありがとう。で、話なら今でも出来るよ?」
「そうね?でも、落ち着いて話がしたいから。だからあなたは、今体を治すことだけに専念してほしいの」
「分かったよ」
素直に笑って答えた由弦。
その笑顔を焼き付けるかのように、珉珠は由弦の頬に触れた。
―――― あなたの中に、本当に私はいないの!?全てほんとに忘れてしまったの?私はどうしたらいい?こんなにもあなたを思っているのに。あなたの笑顔を見てると辛い……
珉珠は心の中で叫んだ。