漢江のほとりで待ってる


珉珠は何気に、ふと母の枕元に置いてある写真立てに目が行った。よく見ると家族写真とは別に、母と少年が仲良く笑って写っていた。

「この子は誰?」と珉珠。

「あぁ~この少年?もう十年以上も前の写真よ?すでにあなたは日本にいたから、この子のことは知らないはずよね。不思議な子だったわ~。あることがきっかけで、この子もボランティアに参加することになったんだけど」

「きっかけ?」

「そう。ちょうど今と同じ時期だったかしら?五月に入ったばっかりの時。母さんのいる事務所に、一通の手紙が日本から届いたの。覚えたてだったのか、間違いだらけのハングル文字。助詞もパッチムもめちゃくちゃ!でも、熱意だけは伝わって来たわ?それになぜか放っておけなかったの」

その手紙の内容は、

「貴社のホームページを見て感銘を受けました。そしてボランティアに強く興味を持ちました。でも僕は未成年なので、また何も経験がありません。登録したくてもできません!そして僕には両親がいません!どうか何でもしますから、お手伝いさせてください!お金ならあります!!どうぞよろしくお願い致します」

と書いてあった。


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