漢江のほとりで待ってる
「たぶん……寄付金は五年前から金額が上がって行ったのよ。送り主を問い合わせても分からなかったの。調べても名前も住所もでたらめだったから。でもそのお陰で何とか持ち直して、各方面の施設にも寄付出来ているの」
「送り主の名前は?」
「パク・ジュウォンさんよ。最初の寄付金の時は、こちらでも話題になってニュースにも取り上げられたのよ」
「そうなんだ……」
「ところで、あなた日本でもいい人はいないの?母さん、今はあなたの幸せだけが願いよ?」
「そればっかりは、期待に応えられるような返事は、今の所出来ないわ」
「そうね?こればっかりはね?ご縁の問題だものね?期待しないで待ってるわ。今夜はもう遅いから、あなたも休みなさい」
「ありがとう、お母さん。ごめんね」
母は微笑みながら珉珠の頭を撫でた。久しぶりに珉珠は母の側で眠った。
そして、目を閉じてからしばらくして、
「……お母様が韓国人!?まさか……ね」
珉珠は心当たりある人物が頭に浮かんだ。