漢江のほとりで待ってる
二日後、副社長室。
戻って来た珉珠に、
「もう戻って来ていいのか?母上の具合はどうかな?」
慶太は声を掛けた。
「ご迷惑をお掛けしました。はい。今の所落ち着いています」
何も興味を示さない慶太が、自分の母の心配をしてくれることに驚きながらも、少し嬉しかった。
「そうか、それはよかった。ゆっくりして来てもよかったのに」
「ありがとうございます。家にいると、会社にご迷惑だからって、母にも叱られますから」
「ははは。そうか。いや、叱られると言えば、私も由弦に叱られてね?」
「……!?」
「自分の大事な秘書の様子も分からないなんて、もっと気に掛けてやれってね。」
「そんなこと言われたんですか……」
「気付かなかったとは言え、すまなかった。」
「いえ、とんでもございません」
「お詫びと言ってはなんだが、今夜食事でもどうかな?」
「え!?あ、ぜひ……」
まさかの慶太の誘いに驚いたが、確かめたい事もあって、誘いを承諾した。
「うん。ならあとで。そうだ!青木君、由弦にあとでここへ来るように伝えてくれるかな?」
「かしこまりました」