漢江のほとりで待ってる


珉珠が戻ったあと、一通り作業を済ませ、本社の副社長室に足を運んだ由弦。

副社長室では、慶太は電話中で、珉珠は会議に使用する資料を慶太に届けようとしていた。

その時、珉珠はつまづき、転びそうになった所を慶太に抱き留められた。

「大丈夫か?」と慶太。

「す、すみません。足が滑って……」

偶然その時、由弦が入って来て、二人抱き合ってるのを見てしまう。

「……!!あ!ごめん!!」一言放って慌てて由弦は飛び出した。

―――― ごめんてなんだよ!

走りながら由弦は思った。

それに気付いた珉珠は、

「違うの!待って!」

慶太を振り払って、由弦のあとを追った。

取り残された慶太は、自分を振り払ってまで、由弦を追い掛けて行った珉珠の行動に驚く。

「ん!?いったいなぜ青木君が由弦の後を追うんだ!?最近驚きの連続だな?」

慶太、部屋に一人取り残される。


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