漢江のほとりで待ってる


弦一郎と、目を赤くして別室から出て来た珉珠を見るなり、

「どうしたの!?何かあったの?」

由弦は珉珠に駆け寄った。

「大丈夫よ?何でもないから」

珉珠は笑って由弦に答えた。

「何でもないって、泣いてるじゃないか!父さん!!」

「おいおい!私は何もしていない!ただ今後とも宜しく頼むとお願いしただけだ」

「ほんとよ?だから気にしないで?」

「……」納得の行かない由弦。

「由弦、ここはお前の家なんだから、いつでも戻って来ていいんだぞ!遠慮はいらない!分かったな?」

と父、弦一郎が最後に言った。

「う、うん」

慶太や雅羅の手前、快くは返事が出来ない由弦。

そして時間は経ち、細やかなパーティーもお開きとなった。

由弦はパーティーを開催してくれたみんなに挨拶をし、特に雅羅には深く感謝した。

「一条君も青木さんもいつでも遊びにいらしてね?」と雅羅。

「ありがとうございます」深々と頭を下げる珉珠。

「今度またぜひ!」と一条。

「オレが青木さん送って行く!」と由弦。

「今日は泊って行かないのか?」と慶太。

「ん~、送ってから考える」

そう答えた由弦に、やれやれといった感じで家族は笑った。

そして珉珠と出て行った。


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