漢江のほとりで待ってる
幸せな時間。手を絡め合い、しっかりと手を繋ぎながら、しばらく歩いた。そして立ち止まった由弦。
「ここがオレのマンション」
「そうなの?」
「寄ってく?なんてな!?珉珠さんの家はまだ遠い?」
断られるのを前提に誘ってみたが、やっぱり断られたらショックを受ける、だから珉珠の返事も待たず話題を変えた由弦。
「あ、あぁ~、そうね?まだかなり先だわ」
「そか。車で送るよ。ちょっと待ってて……ちょっとだけ来る?オレの部屋」
こわいけど誘ってみた。振り返り、珉珠の顔色を伺った。
うなづく珉珠。
珉珠の返事にこの上なく嬉しくなった由弦の顔は、一気に明るくなった。珉珠の手を引き部屋へ。
「高柳由弦の部屋へようこうそ!After you.」
扉を開けて、珉珠を誘導した。
珉珠は辺りを見渡した。結構広く、アメリカンテイストの部屋。オールド感漂う中に、ネイティブアメリカンのインテリア。由弦らしいと珉珠は感じた。
「素敵~!なんかドキドキよ?これでもほんとにテンション高いんだから」
と辺りを見渡す珉珠。その時後ろから珉珠を由弦は抱き締めた。
「……!!」驚く珉珠。
「今度来たときは帰さないよ?覚悟してて?」
安堵と同時に、珉珠は肩の力を抜いて、体重を背中の由弦に預けた。
俯いた顔を上げてり振り返った珉珠、
「その時は覚悟しとく」
優しい笑顔で答えた。
「うん!もう帰る?もうちょっとだけいい?」
「じゃあ、どんな話する?」