漢江のほとりで待ってる


高柳グループの関連会社、広告代理店、B.A.B株式会社が由弦の配属先となった。

B.A.Bは高柳グループとはかけ離れた職種で、新しい試みの一つとして参加入りした、出来て間もない会社。

そのマーケティング部を統括する課長、江南尚子が、アメリカの有名な経済雑誌を見ながら、独り言を言っていた。

「若きクリエイター! 若くして財を成し得る、CGデザイン界の偉才! 高柳由弦。高柳グループの御曹司! ……えっ!? 好きになる女性は年上が多い!? 彼は確か二五、私とは~十三も離れてる……いえ! 年の差なんて関係ない! 癒しの女! それで行こう!! まだまだ女ざかり!尚子頑張れ!!」

社員が出勤し始め、就業時間になった。

早速、課長の江南から挨拶があった。

「皆さん! 彼は今日からこの部の配属となった高柳由弦さんです! みんな? 彼のサポートちゃんとお願いね? そして私は課長の江南と言います。あなたの噂はよく聞いてるわ! 活躍期待してるわね? 分からないことがあれば何でも聞いてちょうだい? プライベートのことまでOKよ!」

部の社員達を紹介しながら、挨拶もそこそこに、グイグイとアピって来る課長に、

「あ、ありがとうございます! 必死でくらいついて頑張ります!ど うぞよろしくお願いいたします」

少し引き気味に、苦笑いで由弦は答えた。

「はぁ~」由弦は大学を卒業してから、初めての会社デビューを果たした。

挨拶も終わり、まず由弦は、コラボの件でAwakenに出向いた。

そして、社長である、また学友の一条徹氏と久しぶりに会うことに。


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