キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
………………………。って

中々静かな時間は、訪れないもので

『明日はお昼にお邪魔しまぁ~す。
お昼は是非!!
奥さまの手料理を!!』ってメールが…

うっ!……忘れてたぁ!!

奥さまって……

今からこの調子だと……明日は大変だろうなぁ~

先生にメールを見せると

ふぅ~っ……って大きなため息の後

「催促されちゃったね。
唯ちゃんが疲れないようにケーキで済ませようって
思ったのに。
仕方ない!明日は朝イチで買い物に行きますかぁ~!」

「ねぇ~先生。
明日のご飯何が良い?
先生の好きなものを作ってあげるよ!」

「ええっ!ホント?………でも四人が………。」

「な~いしょ!ねっ!!」

「やったぁ!!」

今日はやっぱり、心が解放されてるみたい。

きっと先生は、こんなにはしゃぐ唯の事

分かってて甘やかせてくれてるんだよね。

「だったらオムライスかパスタ……あぁ~焼きそばもいいなぁ
う~ん。グラタンも食べたいし……
どうしようかなぁ~」

先生がブツブツいいながら迷ってたら

またまたメールが…

『ご飯はパッと食べれる物ねっ!
決して先生のリクエストなんて聞かないこと!』

……あっ!……バレてる。

『準備や片付けの時間がかからない物にしなよ!
それより、ゆっくり話そう。
ケーキは持って行きまぁ~す。』

「そっかぁ~、そうだよなぁ~。
…………………ごめんね、唯ちゃん……。
オレの配慮が足りなかった。」

??………配慮??…………?…

「せっかく四人が来るのに…自分が食べたい物ばかり考えてた。
ああ見えて……さすが女の子だよなぁ
料理してないオレには、準備の大変さ……思いつかなかった…」

なぁ~んだ!

準備とか片付けまで考えられなかったって落ち込んでるんだ。

なんだか……可愛い!

「だったら、サンドイッチで良い?
前もって作れるし、お手伝いもお願い出来るもん。
この間パスタだったから、今日はオムライスにして
明日の夜、グラタンにしよう!先生、好きでしょう?
それに
唯が先生の好きなものを作りたいんだもん!」

「う~ん。
唯ちゃんに慰められたような………。
でも、それいいね!!
だったら明日は朝イチで買い物を済ませて
昼は四人に"ちょっとだけ!"付き合って…
夜はグラタンを食べて、二人でゆっくり過ごそうかぁ。
……………で!明後日は、花火大会。」

「あぁ!!浴衣持って来るの……忘れちゃった……。」

「あぁ~バタバタしてたからなぁ~
だったら今から取りに行っちゃおうかぁ!
ドライブ、ドライブ!!
ついでに夕飯は外で食べて来よう。オムライスはまたの楽しみ!
遅くなっても同じ所に帰るから……怖くないね!」

たぶん、疲れた唯がご飯を作らなくて良いようにだよね。

先生、初日から甘やかせて良いの?

唯……大人になれる気がしないよ。
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