キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
車に乗って再びわが家へ。

本日2度目のお家に着くと……

あれっ??窓から明かりが洩れてる。

どうして??

もしかして……お母さん?

………誰かと一緒ってことは……ないよね??

先生と顔を見合わせて首を捻る。

「タダイマ……………」

小さい声で挨拶して…そっと入ると………

「お姉ちゃん?!」

えっ!尋ちゃん??……どうして?

驚く唯と先生に

「和君ね、今日お昼にお仕事休んでくれたでしょ?
学校は休みでも…先生達の仕事はあるみたいで。
『夕方から仕事を片付けて来るから…
家で待ってて』って言ったんだけど。
私がいると早く片付けて帰ろうとするから…
先生と一緒で…なるべく一人にしないようにしてくれるの。
だからねっ
『友達と遊ぶ‼』って言って帰って来たの。
お姉ちゃんが先生の所だったの…忘れてた。
帰ったら電気が消えててびっくりしちゃった。
でも、何でいるの??」

「………浴衣をねっ…………忘れちゃって……
それより………
だったら尋ちゃん……今日は一人??」

「うん。でも、平気だよ!
お姉ちゃんだってずっと一人だったんだもんねっ!」

今までだったら、尋ちゃんが一人になることなんて……なかったんだよね…………。

どうしよう………。

「ねぇ~尋ちゃん。
ちょっと狭いけど、家に来ない?
唯ちゃんの部屋があるから泊まれるよ。
唯ちゃんが泣く前においで!」

えっ!先生…………良いの??……

戸惑う唯にニッコリ笑って

「尋ちゃんはお泊まり用意!
唯ちゃんは、しっかりと戸締まりしておいで。
唯ちゃんは浴衣も忘れずに、用意するんだよ!
もう取りに来る時間はないからねっ!」って笑うと

さっさと決めて

「車で待ってるよ!」って出て行っちゃった。

遠慮する暇も与えない優しさは

唯?それとも尋ちゃん??

きっと二人にだろうなぁ~

いつもは強引な尋ちゃんも、さすがに今回は遠慮気味。

「先生も"おいで"って言ってるから…行こう!」って手を引いた。

仕度して、途中三人でご飯を食べて、先生のお家へ…
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