キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「うわぁ!広っ!!
ねぇ~ここって…お姉ちゃんとの未来を考えて買った?
ここ、ファミリータイプだよね~?」

「ちょっと……尋ちゃん。」

焦る唯にお構い無しで…ドンドン物色し始める。

「さすがにそれはないよ。
それに、結婚する時はここを出て一軒屋にしたいしね。」

そうなんだぁ~

ひとごとのように聞いてたら

「唯ちゃんもそう思うよね?
子供には、庭があった方がいいって…」

唯??…えっと……

あっ!…そうかぁ~

結婚前提だから……先生との未来があるんだぁ~……

子供………そうかぁ~

「どうも家の奥さんは、自覚がないみたいだなぁ~。
さっきまで一緒にいたいって…言ってたのに。」

メッ!って怒られちゃった。

「ここが唯ちゃんの部屋だから…
今日は尋ちゃんがここを使ってねっ。
お姉ちゃんだから…貸してあげれるよね~?」って…

さっきの"結婚前提"って忘れてた事…………根にもってる………

意地悪だなぁ~。

ふ~んだ!貸せますよぅ。

でも、ここを尋ちゃんが使うってことは……

他の部屋を使っていいの?!

いよいよ先生のプライベートな空間も

見せてもらえるのかな??

わぁ~い!!

ずっと唯の部屋とキッチンとトイレ、お風呂しか

見せてもらえなかったんだよね。

楽しみ!

ウキウキしてたら「何??」って

何でもないよ~

目で会話してたら尋ちゃんに

「あぁ~羨ましい!私も明日、朝イチで帰るね。」って

「和也さん、明日もお仕事でしょ?」

「二人のお邪魔は出来ませ~ん。」

もぅ~!って…文句を言おうとしたら

「明日は、唯ちゃんの友達四人が来るんだけど。
尋ちゃんに"逢いたい"って言ってたから…
一緒にどう??
和君には、仕事終りに迎えに来てもらったら?
ついでに一緒にご飯も食べたら良いし。」

「えっ、良いの??ホントに??
だったら明日、一緒にご飯を食べて帰ろうかなぁ~?
義兄ちゃん!!ありがとう!」

良いのかなぁ~??

先生……迷惑してない??

チラッと見たら

ニッコリ笑って"いいよ"って答えてくれる。

ありがとう。

「だったら、尋ちゃん。
明日は、サンドイッチ手伝ってね!」

「了解です!!
では、お邪魔虫は…部屋で良い子で過ごします!!
義兄ちゃん!頑張って。おやすみぃ~」って部屋に帰っちゃった。

先生は…赤い顔でブツブツ言ってるし……

何だろう??
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