キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
お風呂を借りてリビングに行くと

「唯ちゃん、もう寝る準備出来た?」って

「うん。」

「だったら、おいで」

連れて行かれたのは、まだ一度も入ったことのない先生のお部屋。

カチッ

ドアを開けて入る先生に続いて入ったら

うわぁ………。

木の温もりを感じるお部屋。

一角には、パソコンと仕事机があって

奥には大きなベットがあった。

ダークブラウンのカバーが落ち着きをあたえてる。

手前の本棚には、さまざまな本がずらりと並んでて

絵本も可愛い物から洋書まで置いてある。

スッゴイ!!

興味津々で見ていたら

「嬉しそうだね。
何か興味を引かれる物があった?」って

「もちろんいっぱいあるよ。
でも、一番は先生のプライベートに入れたことかな。
普段の先生が見たかったから。」

「あれっ?来たかったの??この部屋。」

「うん、もちろん!
でも、先生は嫌だったでしょ?」

「まさかぁ~。
唯ちゃんが嫌かと……。あれっ?抵抗ないの??」

「ていこう??………うん……どうして??」

「えっ?
…………………。
ええっと…………。
そういえば…唯ちゃんって……ここに来る時……
すんなりだったよね??……
もしかして……
大人になってって言ったけど…
ここから教えないとダメ??……?……」

先生の独り言はよく分からなかったけど…

やっぱりこの部屋に来たらダメだったのかなぁ?

「先生!
もう満足したから、リビングに行くね。
おやすみなさい。」

「ちょっ……!唯ちゃん、リビングはダメだよ!
風邪をひくし、尋ちゃんが気を使うよ。」

「だったら今夜、唯が寝るお部屋を教えて。」

「………………ここ………。」

「…………。こ…………こ?……??」

「そっ。ここで一緒に寝よう。」

「えっ!無理。
…………ムリムリムリムリムリムリ…………。」

無理だよぅ~

涙目で訴える唯に

「流石にそこは意識するんだぁ。
ここまで平気だったから、ちょっと心配した。」って笑ってるし。

「先生~」

半泣きの唯を無視して

「ホントに何もしないから大丈夫!
早くおいで。」ってさっさとベットに入る先生。

「うぅ…………。」

困ってる唯に

「おいで」って…枕をポンポンしながら呼んでる。

唯の部屋には尋ちゃんがいて。

リビングは尋ちゃんが気を使うし、風邪をひくからダメで…

やっぱりベットに入らないとダメ??

………でも…………恥ずかしいよう………

………………。

…………………。

……………………。…………………………。…………………!!

覚悟を決めてベットに近づくと
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