キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「これ、ケーキ。いっぱい買ったから後でみんなで食べよう!」

「唯ちゃんのイチゴのショートケーキもあるからね。」

「オジサンは、甘いもの苦手だから無~しって言いたいけど
唯ちゃんが悲しむから………はい、これ」

渡したのは…ワイン。

「おぉ~サンキュー。じゃ、せっかくだし……飲もう!
ビールもいっぱい冷したから!」

えっ!いつの間に!!

「先生~さっき…1本飲んだよ~?」

ちょっとひかえめな抗議をしてみたけど

「大丈夫!酔わないもん。」

「唯ちゃんホントに奥さんみたい」って言われて渋々アルコールを用意。

酔っぱらって何でも話したらダメだよ。

一緒のベットなんて………

怒られるだけで終らないよ??

唯の心配を余所に、楽しい宴はスタート。

「では、唯ちゃんと………ちょっと悔しいけど……
先生の新たな出発に……カンパイ!!」

「「「「「カンパ~イ!!」」」」」

…………………………。

カチンと鳴るグラスの数だけ……

唯を支えてくれる仲間がいる。

…………大切な人達。

それぞれの笑顔を見てたら……嬉しいのに涙が溢れる。

いつものように頭を撫でる先生と

ハンカチ片手に取り合うみんな。

尋ちゃんも一緒に笑ってて……幸せだなぁ~

大好きな人達と過ごす時間はあっという間で

沢山あったはずのおつまみとサンドイッチが空っぽになって

先生達も良い具合にお酒が回り始めた頃……

「そう言えばさぁ~」って…

突然、梓ちゃんが爆弾を投下した。

「まさか先生~唯ちゃんにキスしてないよねぇ~???」

「「まさか!!!」」

答える唯と先生に被って

「ええっ~してるよぅ~?
だって一緒に寝てるもん!」

ピキッ!っと固まる部屋の空気。

……………………………………。

……………………………………。

唯と先生の背中からは……とっても嫌な汗。

「あっれ~!言ったら不味かった???」

平然と答える尋ちゃん。

「ええっ~!!」

「どうゆうこと!!!」

「一緒にって…まさか!!!」

「わぁ~!!」

大騒ぎの四人に

「ええっ~?そんなに可笑しいこと??
うちの親に挨拶して泊まる許可までもらってるのに??
泊まって何もない方が変でしょう?
みんなもやってるでしょう??
お姉ちゃんの決心なんて待ってたら、いつになるか分かんないから
『リビングで寝るつもりなら、申し訳なくて泊まれない。
帰るよ!!』って脅したの!
泊めてもらう恩もあるしね。
尋がお姉ちゃんのベットを使ったから、一緒に寝るしかないよね。
まぁ~よっぽどのおバカさんでないなら………
キス以上もしたはずだよ!」
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