キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
いつになく拗ねてる先生が可愛いくて

先生がしてくれるヨシヨシをしながら

「明日は花火大会でしょう?
二人でのんびり過ごそうね!」って励ましたら

「明日もきっと五月蝿いと思う……」って

もっといじけちゃった。

ええっ!!そうなの??

誰が五月蝿くするのか聞こうと思ったら

「「「「ただいまぁ~」」」」の声が響いた。

大慌てで離れたら

はぁ~っ…………。って

盛大なため息をついた先生に、恨めしそうな目を向けられた。

ごめんね………。

だって~、見つかったらまた五月蝿く言われるよ………。

キッチンに来た四人に

「何してたの??」って睨まれた先生は

「ま・だ!何もしてません!!」って開き直ってた。

今までいつも一人だったから

こんなに長い時間

誰かとおしゃべりしたり、笑い合うのって………不思議。

「唯ちゃんもおいで~」

「一緒に座ろう。」

大切な友達と可愛い妹。

大好きな先生のお家には……唯の部屋。

帰るお家と……待ってる家族。

ずっと夢に見た憧れの時間。

…………………唯の居場所が出来ちゃった。

先生と出逢った奇跡。

………誰に感謝したら……ずっと先生といられるのかな?

ぼぅ~っと考えごとをしてたら………

いつの間にかウトウト………。

キッチンを覗いた先生は『安心した寝顔だね。』って呟いて

そ~っとタオルケットを取りに行ったみたい。

四人も覗いて……微笑んでた。

『誰よりも愛されてるのに……誰よりも愛に自信が持てない子。
それが分かるから……愛しいんだろうなぁ~』って先生が呟いたとか…
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