キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
お父さんは、この香りが大好きで

キッチンを覗いて「今日、肉じゃが?」って…

帰ると直ぐに聞いてたっけ?

「今日は、唯もお手伝いしたよ!」

「尋も玉ねぎ剥いたぁ~!!」

「そうかぁ~。偉かったなぁ」って幼い二人の頭を撫でてたら

「早くお風呂に入って来てくださいね。」って

エプロンで手を拭きながら、微笑むお母さんがいて。

湯気と温もりに包まれた……温かい我が家。

………………………………………。

この時間に終わりが来るなんて…考えたこともなかった……。

いつからだろう………

気づいたら………各自がレンジで温めていた。

それでもまだ……お家で食べてくれる時は嬉しくて、作ってた。

でも………

みんなの帰らない日が続くと………

一人で食べきれなくって……作らなくなっちゃった。

こんなに沢山の声の聞こえる中で作るなんて……

幸せだけど……また一人にならないか……不安になる。

先生の彼女だから、今の幸せがあるんだよね…。

…………もしも………

先生が離れたら?………??

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