キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「ちょっと、何で隠してたの!!」

「女は心の準備が必要なの!」

「ホント、デリカシーがないよねぇ~」

「あぁ~。もう、こんなところでのんびりしてたらダメだ!
みんな、帰るよ!!」

海晴ちゃんの勇ましい声に他のメンバーも

先生を責めながら帰り支度を始めた。

「えっ…あっ…ちょっと………」

戸惑う唯に

「今日はもう遅いから、明日お土産を買いに行くんだよ。」

「不安になったらいつでも電話しておいで。」

「ファイト!」って

口々に言いながら頭を撫でて、使ったお皿をキッチンに

運んでくれる。

ふぅ~っ……。

「ごめん!………心配かけた。
花火は夜だから、夕方に出掛けるし………大丈夫だから。
お袋に『唯ちゃんが悩まないように、内緒で連れてこい。』って
言われて………
だから……お土産なんていらないよ。
兄貴が要らないことしゃべらなかったら……
バレずに連れて行けたのに。
………とにかく!…。もう一回座って。
みんなが急に帰ったら、唯ちゃんが淋しがるから…
明日のことも、女の子で話したいだろうし……
もうちょっと…居てやって。」

先生………優しいなぁ~

さっきまで早く二人になりたいって言ってたのに

今は唯の不安を優先してくれてる。

………明日は……先生のお家に……お邪魔するんだぁ~。

先生の産まれたお家……見てみたいって思ってたし

お母さんに会って、子供の頃の話しも聞いてみたいって

思ってたけど……

いざ現実になると……ドキドキするし、ちょっとしり込みしちゃうなぁ。

どんな人なのかなぁ??

お兄さんと先生……どっちに似てるのかなぁ??
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