キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「ねぇ~先生。
明日は…今日買った食器を、片付けに行っていい?」

「うん、おいで。」

「だったら…その次は、それを使ってご飯を作るのは?」

「うん、いいねぇ~」

「だったら…その次の次は…」

「あぁ~。次の次は…ダメかなぁ~」

ダメかぁ~。

そうだよね。毎日って訳には…いかないもんね。

分かってることなのに…

ダメって言われると…やっぱりショック。

「次の次は…花火大会だから、予定が入ってるでしょ!
忘れてた?」

あっ!そうだった。

花火大会だったんだぁ!!

デートがダメなんじゃなくて

新しい予定を入れたらダメだったんだぁ!

「だったら…その次の次の次は?」

「う~ん。その次の次の次は…
多分、唯ちゃんが慣れない浴衣と下駄で疲れてるはずだから……
オレの家で、のんびり映画鑑賞かなぁ~」

「だったら…またまた次の次は…海に行く?
それで……またまた次の次の次の……また次は…」

「唯ちゃん。
そんなに焦らなくても……大丈夫だよ。
無理に予定を入れなくっても…
"逢いたい"って言えば、いつでも行くし。
淋しかったら…来たら良いんだから。
毎日24時間、いつでも"おいで"。
一人にしないって言ったでしょう。」

「………………ごめんなさい。」

「怒ってるんじゃないよ。
心配しないのって…言ってるの。
一人が怖いならいつでも家においで。
泊まったっていいからね。
もちろん!エッチなことはしないから。
この間使った部屋に、ベットも布団もあるからね。
安心して、来たら良いんだよ。
いつでもどうぞ。」

先生は…はしゃぎ過ぎる唯のこと

………分かってたんだね。

………………………………。
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