キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「ごめん。気づいてやれなかった。
………あぁ~……………情けねぇ~。
ホント……………ごめん。
この間から、1週間デートを断るし……
変だなぁ~とは、思ってたんだよな。
けど…
電話の声が普通だったし
ほっぺに……まぁ~ちょっと手を出したから…
唯ちゃんなら恥ずかしくて当たり前かと思って
旅行まで、デートを止めといたんだけど…
まさかそんな事になってたとは……
一番辛い時に支えられなくて…何が彼氏だよ!
あぁ~情けねぇ~。
こんな事、自分からいう子じゃないから…
ちゃんと見とく必要があったのに…
ホント…腹が立つ……………。」

あれっ?

もしかして……先生が怒ってるのって

……………………自分に??

違うのに…先生は何も悪くないのに…。

唯が何も言わなかっただけなのに……。

「尋ちゃんは?……落ち着いた?
まぁ~和くんが要るから大丈夫かぁ~
むしろ唯ちゃんだよな。…彼女の心配をしろってねっ。
はぁ~っ。
…………唯ちゃん………泣いてた?……」

「ううん。唯は大丈夫だよ。
先生がしょっちゅう電話をくれてたし
ほっぺのドキドキで……
頭がそこばかりだったから……
先生のお陰??……だよ。
どんな顔して会ったらいいかで…悩んだもん。」

クスクス笑う唯の頭を、いい子いい子って撫でてくれる。
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