キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
頷いたらギュッと抱き止めて

「分かった。」って…

それから…唯を抱きしめたまま

5分……10分………と

長い間黙ったまま、考え込んでた。

声をかけることも出来なくて

ただ鼓動を聞きながらくっついていた。

どれくらい、そうしていたのか……

急に視界がひらけて

「よし!買い物に行きますかぁ~」って笑顔を向けられた。

「……………………うん……?……?」

あまりの急展開に戸惑ってしまったけど

先生は何もなかったようにドライブを再開させて

『旅行の帰りにコウが落ち込んでたから慰めたけど

内心は"オレの彼女に手を出すな"って思った』とか

『いつも唯達をからかう四人が、彼氏のお土産を

真剣に選んでた』なんて、楽しそうに話してた。

長い沈黙の間、先生が何を考えてたのかなんて

想像すら出来ないから

気になったけど、気にしない振りをしたの。
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