キンダーガーテン 二 ~優しい居場所に~
車にあったシートを敷いて、お弁当を用意したら
……………………。
「唯ちゃん……手。」って…
………手??……?……お手?
……………犬??……
大きなハテナマークを浮かべて
先生の手の上に……お手をしたら……
「逆!」って…笑われた。
…………逆??………
不思議に思いながら、反対の手を出そうとしたら
「逆って言うのは、左右じゃなくて…こう言うこと!」って
笑いながら手をひっくり返された。
手のひらを上に向けて……先生の手にのせられた。
「あぁ~。
唯ちゃんと一緒だと、いいムードなんて無理だね。
公園でピクニックだし、お手をされるし………。」って
ブツブツ文句を言う割には……ご機嫌な笑顔のまま。
ポン!って…
手のひらに冷たい物がのせられた。
…………鍵??……
イチゴのキーホルダーの付いた鍵を
唯の手に握らせて。
「これは、唯ちゃんの。
落としたら入れなくなるから…大切にしてね。」って
訳が分からず……先生の顔をじっと見たら
「いつでもおいで。」
もしかして……先生のお家の鍵?
「ほら、照れるからあんまり見ないの。
さっき荷物を置きに行く時に作ってもらった。
まさか、その間に保護者が現れるとは思わなかったけどね。」
照れて早口になった先生。
もう一度手のひらを開けて、イチゴの鍵を確認した。
「…………これ………唯の??………」
「そう!唯ちゃんの。
食器も買ったし、淋しくなったらいつでもおいで。
一緒にご飯食べよう。」
さっき……
ずっと黙ってた時間………色々考えてくれたんだ。
ホント……唯は……幸せものです………
先生と出逢えて………良かった。
デザートのプリンは
ちょっとだけ塩味がしたけれど………
今までで、一番美味しかった。
「喜んでくれた?」
覗き込む先生にうなずくと
「ご褒美ちょうだい」って…
笑いながら"あ~ん"って、口を開けた。
少し戸惑いながら先生の口に入れて
その後………"えい!"って心の中で気合いを入れて
唯の口にも一口入れたの。
少し驚いて
それから………ニッコリ笑って……
「美味しいね」って…
うん。先生、美味しいね!
鍵をもらった記念日は…
人生初……はんぶんこした記念日にもなったの。
カバンの底にある、先生からもらった鍵。
それがあるだけで…
温かい幸せが、カバンいっぱいに詰まって思える。
お家を開ける、ただの鍵。
でもね。
この鍵は多分……唯のこれからを開けてくれる
大切な鍵になるような気がする。
きっと絶対……幸せが訪れる。
そう思える鍵なの。
……………………。
「唯ちゃん……手。」って…
………手??……?……お手?
……………犬??……
大きなハテナマークを浮かべて
先生の手の上に……お手をしたら……
「逆!」って…笑われた。
…………逆??………
不思議に思いながら、反対の手を出そうとしたら
「逆って言うのは、左右じゃなくて…こう言うこと!」って
笑いながら手をひっくり返された。
手のひらを上に向けて……先生の手にのせられた。
「あぁ~。
唯ちゃんと一緒だと、いいムードなんて無理だね。
公園でピクニックだし、お手をされるし………。」って
ブツブツ文句を言う割には……ご機嫌な笑顔のまま。
ポン!って…
手のひらに冷たい物がのせられた。
…………鍵??……
イチゴのキーホルダーの付いた鍵を
唯の手に握らせて。
「これは、唯ちゃんの。
落としたら入れなくなるから…大切にしてね。」って
訳が分からず……先生の顔をじっと見たら
「いつでもおいで。」
もしかして……先生のお家の鍵?
「ほら、照れるからあんまり見ないの。
さっき荷物を置きに行く時に作ってもらった。
まさか、その間に保護者が現れるとは思わなかったけどね。」
照れて早口になった先生。
もう一度手のひらを開けて、イチゴの鍵を確認した。
「…………これ………唯の??………」
「そう!唯ちゃんの。
食器も買ったし、淋しくなったらいつでもおいで。
一緒にご飯食べよう。」
さっき……
ずっと黙ってた時間………色々考えてくれたんだ。
ホント……唯は……幸せものです………
先生と出逢えて………良かった。
デザートのプリンは
ちょっとだけ塩味がしたけれど………
今までで、一番美味しかった。
「喜んでくれた?」
覗き込む先生にうなずくと
「ご褒美ちょうだい」って…
笑いながら"あ~ん"って、口を開けた。
少し戸惑いながら先生の口に入れて
その後………"えい!"って心の中で気合いを入れて
唯の口にも一口入れたの。
少し驚いて
それから………ニッコリ笑って……
「美味しいね」って…
うん。先生、美味しいね!
鍵をもらった記念日は…
人生初……はんぶんこした記念日にもなったの。
カバンの底にある、先生からもらった鍵。
それがあるだけで…
温かい幸せが、カバンいっぱいに詰まって思える。
お家を開ける、ただの鍵。
でもね。
この鍵は多分……唯のこれからを開けてくれる
大切な鍵になるような気がする。
きっと絶対……幸せが訪れる。
そう思える鍵なの。