キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
玄関のドアまで来ると…ニッコリ笑う先生。

「イチゴは?」

………イチゴ?……いちご………あっ!鍵だぁ~!!

初めて使う唯の鍵。

カチャ。

ドアを開けて二人一緒に……「ただいまぁ~」

これからは、ここも唯のお家なの?

嬉しい。

やっぱり今は………ありがとう。

先生に出逢えて……本当に良かった。

キッチンのテーブルの上には………

昨日買った食器の山。

「オレが片付けても良かったんだけど……
ほらっ!使う人が使いやすいように入れた方が……」

ちょっと言い訳っぽいけど…

まぁ~ね。

だって先生……可愛いから。

「今日はいっぱい泣いて疲れたでしょう。
片付けは明日にして、ゆっくりしよう。
部屋に荷物を置いて、シャワー浴びておいで。」

ちょっとからかわれた様な気もするけど…

泣き疲れたのは事実だから

「うん。そうするね。」って部屋に。

ピンクの花柄のカーテンに…真っ白いタンス。

ベットカバーも可愛い花柄で……

この間まで……こんなことなかったよね?

………………。

声もなくびっくりしていたら

「びっくりした?頑張ったでしょ?
これを用意するのに一日かかったぁ~
食器を片付けてないのは、おおめに見てね。」ってドアにもたれて笑ってた。

……もぅ~。

先生…唯の事……何回泣かせるつもり?……。

先生の胸に飛び込んで…

いっぱいいっぱい"ありがとう"を呟いた。

『一人にしないよ。』

この一言には……沢山の愛が詰まってたんだね……。
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