キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
背中をあやした先生の手が

泣き止んだことを確認するように頭にのって

「ねぇ~唯ちゃん。
明日の夕方には帰らないといけないよね?
尋ちゃん達も来るし。」

「う~ん。そうだね………。」

そっかぁ~、明日は帰るんだ。

さっきまで、ここに泊まりに来るなんて

想像もしてなかったのに…

今は帰るのが淋しいなんて…。

先生に甘えさせてもらうと、どんどんワガママになっちゃう。

「あれっ!帰りたくなくなっちゃった?…
嬉しいなぁ~。オレもそうだけどねっ!
まぁ!ご両親に了承して貰ったから…
いつでもおいで。」

「うん。」

「ところで、昨日買った食器とか、明日帰るまでに片付けられる?
無理だったら…
明後日の朝、ちょっと早く来て片付けてくれる?」

「うん、いいよ。
早いのは苦手だから……起こしてくれる?」

「もちろん!
でも起きてくれるかなぁ~?
早く片付けないと、四人にからかわれるんだけどなぁ。」

「四人?」

「そう!お昼から四人が遊びに来るの。」

「ええっ!!いつの間にそんな計画が決まったの??」

「………今日。
唯ちゃんの話しを聞いて『唯ちゃんの家に挨拶に行こう!』
とは思ったんだけど…
いきなり次の日になっちゃったから、ちょっと焦っちゃって……。
『泊まらせたい。』って言うつもりでいたしね……。
四人には…ご両親に許可をもらう前に話したかったから。
それにやっぱり、唯ちゃんの親に逢うのって…
ドキドキするし…勇気がいるからなぁ~
服装は?話し方は?って…相談したよ。」

そんな素振り…唯には全く見せなかったのに…

何だか可愛いくて笑ったら

「何が可笑しいの?
笑っていられるのも今のうちだからね!」って

意味深な笑いを浮かべてた。

…………?………………。
< 85 / 153 >

この作品をシェア

pagetop