キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「昨日、楽しい夢見てた?」

「うん。小さい頃の夢を見たよ。
家族仲良くしてた頃の……。」

「あぁ。それで幸せそうだったんだ。
オレはてっきり、オレの夢でも見て嬉しそうなのかと思ったのに。」って

いたずらっ子の目をして見るから

「うん、そうだよ。
先生の夢を見て嬉しくなったの。」

「でも…小さい頃のって…」

「あのね。
小さい頃の夢を見て、懐かしいけど淋しくなったの。
先生のお陰で、我が家は落ち着きつつあるけど…
頭の中は、まだキチンと理解出来てなかったみたいで
あの頃に戻れたらなぁ~って…思ったの。
夢の中の小さい唯達の事を
今の唯が、淋しそうに眺めていたら……
後ろから来た先生がそっと手を握ってくれたの。
大丈夫だよって笑顔で……。
幸せそうな顔をしてたのなら……きっとその時だよ。」

「そっかぁ~。だったら夢の中でも幸せに出来たんだね。良かった。
オレは…
幸せそうに寛いで……ゆっくり眠る唯ちゃんを見ていたくて
使っちゃったんだよね。………お願い事。」

「一緒に寝ようっていうの?」

「あれっ!やっぱり覚えてた?
ざ~んねん。
覚えてなかったら、内緒にしてもう一個お願いしようと
思ってたのになぁ~」って笑ってる。

「いいよ。もう一個。
先生は唯に沢山の幸せをくれたから……
もう一個。何でも聞いてあげる。」
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