キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「いいの??」

「うん。
昨日ね…ホントに何年か振りに、ぐっすり眠れたの。
一人じゃないから…怖くないのもモチロンだけど…
それよりも、心が満たされたからなの。
………お父さんとお母さんは…
もしかしたら…昨日の話し会いで…
やっぱり別れるって…結論を出すかもしれないけど。
それでもね、
先生が"会いたい"って言ってくれて、メールを送ってからは
…………両親に戻ってくれたの。
だから………もう安心。
例えどんな結果が出ても、お父さんとお母さんでいてくれるって…
信じれるから。
そう思ったら……心がすっきりして……
安心して眠れたの。
先生のお陰です。ありがとうございます。
だから…先生のお願いに、何でも叶えたいの。」

「う~ん。
だったら…もう少し、取っておいていい??
いざって時まで。」

「いいけど~唯が覚えてる間に使ってね。」

「もちろん!」

なぁ~んだ。今じゃないんだぁ

もしかしたら…

"キスしよう"って言われるかな?って…

覚悟したのになぁ。

ちょっと気が抜けちゃった。

食べ終わったら、二人で仲良く洗い物をして

食器のお片付け。

まだまだ足りない物が沢山あるから…

唯が片付けながら欲しい物をリクエストすると

先生はテーブルでメモを取ってくれるの。

「炊飯器にしゃもじでしょ。後は、ヤカンにトースター!!
魚焼きグリルでパンを焼いたの…初めてだよぅ~
あっ!ラップも欲しい。
ラップしないで冷蔵庫に入ってるのも初めてだったよ。
何でも出来る先生の以外な所が見えて、楽しいけどね!」

「男一人で、そんな細かいことしないよぅ~
まぁ~これからは唯ちゃんがいるから安心だね!」

ホント、二人っていいね。

先生の苦手な料理は唯がして…

今まで唯がいつも困ってた、高い所は先生が担当してくれて。

こうやって……

いつか家族になるのかなぁ?

「今はまだ、ままごとみたいだけど…
いつか二人の気持ちが重なったら…家族になろうね。」

あはっ。

先生も同じ事考えてたんだ!
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