キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
着替えてリビングに行くと

ソファーに座って携帯をいじってた先生が顔を上げた。

「用意出来た?もう少ししたら…送って行くね。」

唯のためって分かってるのに、やっぱり拗ねた顔になる。

「そんな顔をしないの。帰したくなくなるでしょう?
今日は親子でゆっくり話しておいで。
明日は朝イチで迎えに行くから。
携帯だって、いつでも繋がるようにしておくから!
大丈夫だよ。」

先生は、今日の話し合いに不安を感じてるって…思ってるみたい。

違うのになぁ~

『先生の側にいたいんだよ』って言ったら…

どんな顔するかなぁ??

イタズラしたくなったのに…

広い胸に抱きしめられて…背中を擦ってあやされたら……

何も言えないよねぇ。

帰りたくなくてグズグズしてたら携帯から音楽が…

「そろそろタイムリミットかなぁ?
出てごらん、多分お父さんだよ。痺れを切らしたんじゃないの?」

予想どうり……

履歴の名前はお母さん。

あぁ~あ。

はぁ~っ…………。

それでも折り返し掛けた電話の内容は

予想に反してて
< 93 / 153 >

この作品をシェア

pagetop