キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~
「…………頭を上げて下さい。
先程は…いきなり怒鳴りつけてしまい………
すみませんでした。
千尋は…唯とは違い、私との会話も少なく……
反抗的な態度ばかり見せるため……
つい怒鳴りつけてしまうことが多くて。
先日も手をあげてしまい……反省してます。
昔は…唯以上に私にくっつき、いつも膝の上に座っていたのですが
仕事が忙しくなり、座って寛ぐこともなくなると
千尋も自然と私を必要としなくなりました。
幼い時にスキンシップを止めると…
甘え難くなるのでしょうね。
勝ち気さばかりが目立つようになり
扱いにくさに困ることもありました。
正直、勉強を頑張るのは…私への対抗心からだと思っていました。
そんな可愛い気持ちも…
ちゃんと育っていたんですねぇ。
………和也さん。
貴方には………甘えていますか?ワガママを言っていますか?
もし言えてるのなら……親として……安心です。
この子のこと……宜しくお願いします。」

そう言って昨日と同じように頭を下げるお父さん。

「お父さん……。」

尋ちゃんとお父さんは似た者同士。

きっと、ちょっとだけ言葉が足りなかったんだよね。

尋ちゃんのお父さんに対する目が

優しくなってるから……もう大丈夫だよね。
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