I didn’t know what true love was until I met you.
*・・・*
キィ……キィー…



誰もいない公園に、ブランコのサビて乾いた音が響く



もう少しで夏に入ろうとしている今の季節の風は冷たいのにどこか優しくて気持ちいい。

この時間、
人という人は誰一人いないこの公園

木の葉を風が撫でる音とブランコの音に全身が包まれ自分自身の存在を忘れてしまう感覚になる



この時だけが唯一気の抜ける瞬間

気が抜けたのを感じると同時に流れてだした涙

もうぬぐうことも面倒になってきた私は、せめて涙が落ちないようにと空を見上げた










私の生きているこのちっぽけな世界はいつもながらに残酷だ。









誰かがこうして悲しみにくれているときも

頭上の月は美しく輝き続ける

まるで世界に異常はないみたいに











この私の苦しみには誰も気づいてはくれない











私はすがるように、月に手を伸ばした

届くはずもないと、

私にはこの世界しかないのだと、

そう思っていた_____________
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