不倫
「・・・・・・・。」
『・・・・・・・。』
「・・・分かった。以上で終わります。」
『・・・・・・・。』
席を立つと、何か言いたげな顔で谷口が俺の事を見上げてきた。
『真田さん・・・・。』
「はい。」
『もう・・・疲れたんですよ・・・。』
「・・・・疲れた?」
『もう我慢することに疲れました。
僕の人生はいつも我慢の連続でしたから。』
「・・・・・・親友のDVを黙認することに我慢が出来なかったって事か?」
『どう受け止めて頂いても構いません。』
ニッコリ笑う谷口を尻目に取調室を出た。