不倫


「・・・惨め・・でしょう?」


「・・・・。」


「私は・・ダイスケさんの世間体の為に選ばれた妻だったなんて・・・。

初めて好きになった人が・・同性愛者だったなんて・・・。」


「いつ知ったんですか?」


「結婚してから半年ぐらい経って・・・・。

いつまで経っても私を抱いてくれないので・・泣きながら迫った夜がありました。

その時に・・告白されました・・。」


「・・・・そうでしたか・・・。」


「・・逆ギレされちゃいました。
・・ダイスケさんって怒るとあんなに怖い人だったんですね。」


「・・それがDVの始まりでもあったのか・・・。」


「・・正直に答えなくてごめんなさい。

それから、あの女刑事さんがずっと気にしていたインターホンの映像を消去したのは、

きっとダイスケさん本人ですよ。」


「・・・・。」


「私に隠れて2人はあの家でコソコソと会ってたようですから。

きっとあの日も、谷口さんの存在が私にバレないようにしたんです・・。」


「今回の事件がきっかけで、

ダイスケの不倫相手が谷口だという事が分かったんですね?」


「だから言ったじゃないですか。
“私達は面識が無い”って。」


「・・・・なるほど・・・。」





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