不倫
なんだかんだ付き合いの長い小西は、
俺の表情を見て察してくれた。
「・・・妊娠3ヶ月ですか・・。
真田さんはいつも“動機”に着目してますもんね。」
「そうなんだよ。
アリバイ工作以前に、
ミカには動機が無くなった。
小西の言う事も一理あるけど、
記念すべき“妊娠報告”はあの家族だけの特別なものにしたかったんじゃないかな。
そういう意味でダイスケは“気を遣った”かもしれない。」
「・・どうします?」
「一旦妻の方は置いとくか。
俺達もダイスケの交友関係を洗おう。」
聞き込み状況を確認しようと、スマホを取りだして早苗の電話番号を押した。