不倫


隣に立つ小西がまた何か言いたそうな顔をして俺を見てきたが、

ミカに気付かれないようにその足をポンと叩く。


「ここからはちょっと事件関係無しで、個人的興味でお伺いしたいんですけど・・。」


「なんでしょうか?」


「この小西という男。

この歳でいまだに結婚相手がいなくて困ってるので、

“お見合いはどうか”
って勧めてるんですけど、

確か奥様もお見合いでダイスケさんとお知り合いになったんですよね?」



「ちょっと真田さん!
何言ってるんですか!」

「まぁいいからいいから。」


本当は結婚間近の恋人がいる小西が慌てるが、目で“話を合わせろ”と訴える。


なんだかんだ付き合いの長い小西はすぐ察知してくれたようだ。


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