人色-hitoiro-

伊織「よかったじゃん。
終わらせたいと思っていた事を
終わらす事が出来て。」

阿久津くんのおかげで
すっかり洋服は乾いていた。

奏「終わらせるつもりなんてなかった。
あのまま楓とは適当に
付き合ってればよかったんだよ。
それで、俺たちは幸せだった。」

伊織「好きでもないのに幸せなの?」

奏「好きだったら幸せなの?
伊織ちゃんは今、幸せ?」

伊織「好きでもない人と
付き合ってる阿久津くんよりは
幸せだと思う。」

阿久津くんはそのまま
何も言わなくなったから
阿久津くんから受け取った
服に私は着替え始める。

奏「帰るの?」

伊織「うん、また明日。」

今日は何だか疲れてしまった。
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