人色-hitoiro-


伊織「でも、普通
連絡くらいすると思わない?
行けないなら行けないって
言ってくれればいいのに。
昔から京夜ってそうゆう
気遣い?ってゆーのかな。
全然出来ないし、だから友達も
出来なかったし‥思いやりもないし
人の気持ちも考えないし
自分勝手で‥本当嫌になる。」

阿久津くんは何も言わず
ただ、私の話を聞いてくれた。

伊織「‥ごめん。
阿久津くんにこんな事言って。」

奏「全部?」

伊織「え?」

奏「それで全部?
伊織ちゃんの思ってる事。
もう全部言った?
聞くよ、何時間でも。
愚痴も文句も気持ちも全部。
俺がちゃんと聞くから。」

伊織「‥言ったよ、全部。」

奏「うん。じゃあ帰ろうか。」

満足気に微笑んだ阿久津くんは
私を駅まで送ってくれた。
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