人色-hitoiro-

京夜「向こうの世界の俺は
ここにいる自分とは全くの別人なんだ。
悲観主義者じゃなく楽天主義者なんだ。」

涼介は否定も肯定もしない代わりに
俺の言葉を受け入れてくれる。

京夜「大学の近くのアパートに
俺は父さんと母さんと3人で
暮らしてて、家の前ではいつも
伊織が馬鹿でかい声で俺の名前を呼ぶ。
一緒に大学に行って講義を受けて
飽きもせず伊織は俺のそばを離れない。
伊織と2人でばあちゃんの見舞いに
行って他愛もない話をする。
たまに、涼介も交えて3人で飯食って
毎日のように伊織が家へ来て
父さんと母さんと馬鹿話して
俺よりも伊織の事を大切にする
家族の姿を見たくなくて
涼介と2人で飲みに出掛ける。
それを知った伊織は未成年なんだから!
なんて怒って、それが幸せだとも
気付かない平凡な日常を送ってる。」
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