人色-hitoiro-
華純「京ちゃん。
今日は誘ってくれてありがとう。」
京夜「ううん。こっちこそ。
木崎と出掛けられて楽しかった。
ほら、これ。お土産。」
華純「うわ!嬉しい。」
俺が買ったペンギンのぬいぐるみは
昔、伊織が欲しがっていたものだ。
俺はそれを木崎にプレゼントした。
京夜「家まで送ってやれなくて
ごめんな。また明日、学校で。」
華純「うん、ありがとう。
ぬいぐるみ大切にする。」
改札を通る木崎を見送ると
俺は家へと向かう。
途中にある橋の上で
水面に映る月をぼんやり眺めた。
なんでかな‥今日は
家に帰る気分になれないや‥。