人色-hitoiro-
何でちょっと期待してたんだろう。
着替え終えた阿久津くんと大学を出ると
ポツリポツリと阿久津くんが話し始めた。
奏「バスケしてる時だけは
嫌な事が忘れられるんだ。」
伊織「え?」
奏「どこにいても嫌な事ばかり。
学校も家も友達も女も皆くだらない。
でも、バスケやってる時だけは
俺って生きてるんだーって思える。」
ほとんど毎日、阿久津くんと
一緒にいるのに私は
阿久津くんの事を何も知らない。