人色-hitoiro-

伊織「阿久津くんとずっと
一緒にいたいから父親と結婚した?
ふざけるな!阿久津くんの
気持ちを踏みにじっておいて
この家にいられるその神経を疑うよ!
阿久津くんはね、カッコイイの!
あんたにそばにいてもらわなくても
彼女くらいすぐに出来ちゃうんだから。
調子に乗るな!おばさん。」

だから、伊織ちゃんに
言い負かされたこの人の表情を
見た時、胸がスッと軽くなった。

伊織「阿久津くんはもう
あんたの事なんて好きじゃない!
‥‥じゃあ!お邪魔しました!!」

伊織ちゃんはカバンを持つと
そそくさと家を出て行く。
追いかけようとした俺を
あの人が呼び止めた。
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