人色-hitoiro-

一発目の花火が打ち上がる。

京夜「どうした?伊織。」

伊織「京夜が好き。
ずっとずっと大好きなの!
だから、行かないで!
私と一緒にいてよ。」

京夜は縋り付く私の手を
優しく離す。

京夜「ありがとう。
俺も伊織の事、好きだよ。
でも、その好きは伊織のとは違う。
伊織の事は大切だけど
家族みたいなもんだから。
伊織の気持ちには答えられない。
気持ち伝えてくれてありがとう。」

もう一度、優しく私の頭を撫でると
じゃあなって言って
京夜は人ごみの中に消えて行った。
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