人色-hitoiro-
出会った日から分かっていた。
好きにならないはずがない。
初めから私の事を理解して
ずっとそばにいてくれた
阿久津くんを嫌いだなんて
言えるはずがない。
伊織「阿久津くん。
このシュートが決まったら
私と付き合って下さい。」
私が打ったボールは
綺麗な弧を描きバスケットゴールへと
吸い込まれる。
ゴール下にいた阿久津くんは
私の元までやってくると抱きしめた。
奏「· · ·出来れば外して欲しかったな。」
伊織「ごめん。嫌なら嫌って
言ってくれていいよ。
仕方ないよ、私は一度
阿久津くんの事を· · ·」
奏「そうじゃなくて。
もう一度ちゃんと言いたかった。
俺の方から気持ちを伝えたかった。
好きだよ。伊織ちゃん。
大切にするからずっと俺の
そばにいて下さい。」
ああ、そっか。
幸せってこうゆう事なんだ。